大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(す)356 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

本件抗告理由は、末尾添付の別紙書面記載のとおりである。

調査の結果によれば、抗告人に対する強盗殺人、銃砲等所持禁止令違反被告事件

は、刑訴法(昭和二三年法律第一三一号)施行前に公訴の提起がなされたもので、

刑訴施行法(昭和二三年法律第二四九号)第二条により旧刑訴法(大正一一年法律

第七五号)及び刑訴応急措置法(昭和二二年法律第七六号)によるべき事件であり、

昭和二四年二月二三日千葉地方裁判所において有罪の第一審判決が、昭和二五年七

月三一日東京高等裁判所において有罪の第二審判決がそれぞれ言渡され、その後後

者の判決が確定したので、抗告人はこれに対し昭和三二年二月四日再審の請求をな

し、東京高等裁判所は同年四月八日棄却決定をしたことを認めることができる。

そこで、本件抗告の適否について判断するに、本件抗告は右棄却決定に対し即時

抗告として申立られたものであるが、旧刑訴法(大正一一年法律第七五号)第五一

〇条には、かゝる場合において上級裁判所へ即時抗告ができる旨規定している。し

かし、その上級裁判所に当る最高裁判所は、裁判所法第七条によりその裁判権を、

上告及び訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた抗告に限

定され、その抗告とは、旧刑訴法による事件については、刑訴応急措置法第一八条

による特別抗告のごときものを指すことは当裁判所判例の既に判示したところであ

る(昭和二二年(つ)第七号同年一二月八日第一小法廷決定刑集一巻五七頁、昭和

二三年(つ)第一号同年二月一七日第二小法廷決定刑集二巻二号一〇二頁参照)。

従つて、旧刑訴法第五一〇条による最高裁判所への即時抗告の途は開かれていない

し、他にかゝる即時抗告についての管轄裁判所を定めた法規はないのであるから、

本件即時抗告は不適法たることを免れない。また、これを刑訴応急措置法第一八条

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による特別抗告とみなしても、その抗告理由が、同条所定の事由を主張するもので

ないことは、抗告理由自体に徴し明らかであるから、本件抗告を適法とするに由な

きものといわなければならない。

よつて、刑訴施行法第二条、旧刑訴法第四六六条に従い、裁判官全員一致の意見

で主文の如く決定する。

昭和三二年六月四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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